覚悟の磨き方

 

吉田松陰の「覚悟の磨き方」という本を買ってくれ。と教科書すら読んでいるかどうか怪しい子供が言った。

 

近々、覚悟を決めるような出来事が待っているのだろうか。

 

我が家の教訓は「生きている間になるべく沢山の本を読め」なので、ここは色々聞かず、快くポチった。

 

お待ちかねの本が届き、ダンボールを開き、ビニールと帯を外し、パラっと中を見る。

 

そう、この瞬間がたまらないのよ。
と、ちょうど先日、自分も新しい本を購入して同じ作業をしたところだったので、うんうん、と思いながら後ろから眺めていた。

 

彼は言った。
「これは静かにじっくり読む系の本だな」と。
そしてそっと本を閉じた。

 

その後、十分静かなリビングにその本を置いたまま、静かな自分の部屋へ行ったのだった。

 

どうやら急ぎで覚悟を磨く必要があるわけではなさそうだ。

 

タイトルから想像すると、文字数多めで、少々読みにくいのもを想像していたが、想像に反し、文字数少なめ、わりとマイルドな文章だった。それなのに‥

 

静かにじっくり読む日が来るのだろうか。
と思いながら、今、自分がその本を読んでいる。

 

覚悟が磨かれたら、お顔のツヤもでるだろうか。どうだろうか。